潮出版社
 
 
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著者名
谷村志穂
カテゴリ名
本/潮文庫
発刊日
2022年11月5日
判型
文庫判
ページ数
384
ISBNコード
978-4-267-02368-2
Cコード
0193
価格
1,210 (本体 1,100円)

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作品概要

いつだってあと少しで飛び立てるのに――

北の大地に生きる若者たちの‶傷と愛″の物語。

児童福祉を巡る現実と「人間の可性」を問う著者渾身の傑作長編。

あらすじ

北海道・大沼湖畔に佇む2つの施設。

そこではさまざまな事情で親元を離れた少年少女たちが、職員たちと一つ屋根の下で暮らしていた。施設を束ねる藤城遼平の娘・ゆきは新人の理学療法士。偶然、父の教え子である同世代の摩耶が唄うYouTubeを見たことで摩耶のライブに訪れた。そこで摩耶の兄・拓弥と出会い……。実在の児童自立支援施設を取材し、繊細な心情を描き上げた著者の新境地。

◎解説=大崎麻子

解説より(大崎麻子)

セバット・ソングのセバットとは、湖の一角にある「狭い場所」で、

「温かい水がそこにだけ注ぎ込み、唯一結氷しない場所」だという。

シベリアから飛来してくる白鳥の群れが、

そこで羽を休め、準備ができたら、再び飛び立っていく。

人間にもセバットが必要だ。

安心安全な場所。自分らしくいられる場所。

食べて、眠って、身体を休め、英気を養える場所。

子どもは健やかに成長するために、

大人に生き延び続けるために、セバットが必要だ。