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たとえ夢の中でも会いに行きたい人がいる
幻想と郷愁、現実と非現実、過去と未来――
日常の境界線が曖昧になっていく
不思議で心地良い世界。
家族の出生の秘密を探っていた主人公が、いつの間にか古い火鉢のなかへ入り込んでいく「旅する火鉢」、オーロラ見物と白夜体験のためにアラスカへ行った作家の「わたし」が謎めいた男性と出会い、極地の真実を知る「夢の罠」、年老いた主人公が過去の男たちの記憶を養分として、トマトを作り続ける「私が愛したトマト」ほか珠玉の短編11編を収録。
◎解説=川本三郎
豊臣秀長 我、日輪の柱たらん
髙橋直樹
てきてき 浪華のおなご医師と緒方洪庵 縁
鷹井 伶
われ去りしとも 美は朽ちず
玉岡かおる
こちらはただの「落とし物係」です!──警察行政職員・音無遠子の流儀
仁科裕貴