潮出版社
 
 
潮2022年1月号
月刊「潮」 潮2022年1月号
発刊日
2021年12月3日
価格
660 (本体 600円)

目次

【特別企画】2022年を生きるヒント

日本の新リーダーが直面する課題。山内昌之

【連載】鎌田實の「希望・日本」(20)

 関西発――「KISA2隊」が起こす在宅医療革命。鎌田 實

日本の島を旅する[番外編]クック諸島

感染者ゼロの島で何が起きていたのか。山口由美

 

 

【特集】日本政治の針路

「統治の党」として公明党の真価を発揮せよ。御厨 貴

ネット選挙に求められるメディア・リテラシーと熱伝導力。三浦博史

 

 

【特集】私たちの現在地

米国で高まる「フェイスブック批判」の深層。矢部 武

「うしろめたさ」が世界を変える。松村圭一郎

ユニークな特性をもった子どもを伸ばす「学びの場」。中邑賢龍

【連載対談】ニッポンの問題点(49)

 人生一〇〇年を元気に生きる秘訣は「引退しない」こと。和田秀樹×田原総一朗

 

 

連載ドキュメンタリー企画

民衆こそ王者 ――池田大作とその時代

<希望をつなぐ人>篇(9)

 

 

【新連載】宿帳拝見――「あの人」が愛した湯(1

 橋田壽賀子・花登筺と「古窯」。山崎まゆみ

 

 

【新連載】池田思想の源流――『若き日の読書』を読む(3

 偉人から何を学ぶか。佐藤 優

 

 

【シリーズ】シニアのための「生き生き」講座

血管を鍛えて突然死を未然に食い止めよう。池谷敏郎

 

【ヒューマンストーリー】

錦織一清

僕の舞台は二人の師匠のハイブリッドなんです。

 

 

【人間探訪】 渡辺えり

母が認知症になった年齢から逆算し、表現者として一二年間を生き切る。

 

 

【ルポ】人生最期の装い――死者を悼み慈しむために黒島暁生

 

 

【好評連載】

寄せ場のグルメ(30)<対話編>

食事とは「つながり」の証。(上)

奥田知志×中原一歩

 

 

【対談】高島礼子の歴史と美を訪ねて(16)

時代小説で描くシニア女性の生き方。西條奈加×高島礼子

 

 

深掘り!「三国志」(6)

 最後の戦いに臨む孔明の策略と失敗。塚本靑史

 

 

トクサンの「人間野球」日誌(5)

 プロとして「仕事」にどう向き合うか。トクサン

 

 

世界への扉(63)

島国日本の“奇妙な安定„。

三浦瑠麗

 

 

大相撲の不思議(73)

呼出。

内館牧子

 

 

【連載小説】

蒼天有眼――雲ぞ見ゆ(30)

山本一力

 

 

水の月(18) 最終回

中江有里

 

 

吉野朝残党伝(12)

天野純希

 

 

第27回 読者手記発表!

テーマ「お稽古事と私」

読者手記 大募集!

(第30回 テーマ きょうだい賛歌)

 

 

USHIO情報BOX

暮らしの相談室【貯蓄編】(私が認知症になったら預貯金の管理は?)/ecology&economy新しい生活様式のエコライフ(窓から始める暖かい住宅づくり)/熟年世代の危機管理術(日本に訪れる新たな危機に備えよう)/SAFETY&SECURITY IT博士と学ぶデジタル社会の歩き方(マイナンバーカードを申請しよう)/楽して楽しむガーデニング(縁起のいい植物)/ナンバープレイス/手近な素材で簡単おうちごはん(牛乳)/近ごろ…カラダが何かヘン!?(息切れがする)/サトミツの知っててよかった!お掃除豆知識(窓のサッシ)/おうち時間に簡単体操(スローステップでゆっくりと下半身強化)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/最近気になるモノ(個人情報を保護)

 

ずいひつ「波音」

こころを聴く(73)〆縄。中西進/眼鏡をかけながら眼鏡を捜す。畑村洋太郎/未来につなぐ「聞き書き甲子園」。澁澤寿一/平日の朝に低めの山に登る。望月優大/双子育児とジェンダーの狭間で。清田隆之

 

PEOPLE2022/世界のネコたち(東京都)/”ティー・エイジ流”カフェ散歩(明治期の銀行を復元したカフェで美の余韻に浸る)/フォトレポート(待ったなしの気候変動対策)/トピックス(トラ年の皆さんへ 謹賀新年)

 

潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終えて

 

読みどころ

【特別企画】2022年を生きるヒント

【連載】鎌田實「希望・日本」第20

「関西発──『KISA2隊』が起こす在宅医療革命」鎌田 實(医師、作家)

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 オミクロン株が国内でも確認されるなど、新型コロナウイルスの影響は、年が改まってもまだまだ予断を許さない状況となりそうです。

 そこで、連載「鎌田實の『希望・日本』」では、京都府と大阪府で自宅療養者の希望となっている、新型コロナ訪問診療チーム「KISA2隊」の中心メンバーにお話を伺いました。

KISA2隊」の構想は、第2波が収束傾向にあった2020年の夏に開始。京都の守上佳樹医師が大阪の小林正宜医師に、「行政と医師会と保健所を巻き込む形での在宅治療」を提案したことがきっかけでした。当初は実現不可能と思われていたこの構想が、同年末から動きはじめると、翌202125日に「KISA2隊」の活動がスタート。9月には大阪の奥知久医師が中心となり、大阪でも続きます。その後、自宅療養者への往診での「抗体カクテル療法」使用が厚労省によって認められ、国内初の治療が小林医師らによって行われました。

 中心メンバーの医師はいずれも、30代から40代。一人ひとりが高い志を持ち、ともにチームとして動くことで、在宅医療に新たな風を吹き込んでいます。鎌田氏が「彼らのような若い医師らこそが、医療の希望だと僕は思っている」と語る、医師や看護師たちの奮闘に迫ります。

 

【特集】日本政治の針路

「『統治の党』として公明党の真価を発揮せよ」御厨 貴(東京大学先端科学技術センターフェロー)

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 1031日に行われた衆議院総選挙では、自公両党が過半数の議席を獲得し、逆に立憲民主党や日本共産党は議席を減らすなど、マスコミ各社の予想を裏切る結果となりました。これについて御厨貴氏は、マスコミが「政権選択選挙」と煽っても、有権者はスタンドプレイばかりで政権担当能力のない野党に、政治を託そうとは思わなかったと指摘。また日本維新の会の躍進は、“テレビ受け”する一方で、一陣の風に終わる可能性もあると語ります。

 こうした中、公明党は「与党内野党」として自民党と激論を交わしながら、平和安全法制や軽減税率導入といった難題を丁寧に進めてきた実績があると評価。また同党の伝統である「素朴な平和主義と生活主義」という価値観を大切にしながらも、今後は「統治の党」として、さらなる国家的課題に率先して取り組んでほしいと期待を述べています。

 

【特集】私たちの現在地

「ユニークな特性をもった子どもを伸ばす『学びの場』」中邑賢龍(東京大学先端科学技術センター教授)

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 いま日本の学校現場では、過重労働や過密スケジュールなどの影響で、教師たちが心身ともに余裕を失っていると言われています。その中で、例えばじっとして授業を受けられない子どもや、空気を読まずに質問をしつづける子などは、いわゆる集団に馴染めない「困った子」「できない子」とみなされたり、病気や障害をもった子どもたち一人ひとりにじっくりと寄り添えないという現実があるようです。

 そこでユニークな特性をもった子どもたちを排除せず、その力を伸ばすための学びの場を提供しようと、「LEARN」というプロジェクトを立ち上げ、実践している中邑賢龍さんに、その狙いと効果のほどを伺いました。

 中邑さんは、学校教育を否定しているわけではありません。授業を受け、友だちと仲良くすることは大切です。ただ同時に、学校では興味を満たせない子どもたちのための、代替的な教育が当たり前に存在するべきだ──硬直化した壁を突破しようとする中邑さんの取り組みは、困難に直面する教育現場に大きな風穴をあけるヒントが満載です。

 

【ヒューマンストーリー】錦織一清

「僕の舞台は二人の師匠のハイブリッドなんです」

 錦織さんといえば、やっぱり少年隊の「ニッキ」ですよね? でも近年は、舞台演出家としても活躍されていることはご存知でしょうか。

 2020年末にジャニーズ事務所を退所し、フリーとなった錦織さん。彼が演出を手掛けたミュージカル「鬼の鎮魂歌Ⅱ」は、愛媛の「坊ちゃん劇場」で一年以上のロングラン公演を経て、2月からは東京特別公演が開催されます。超人気アイドルから舞台演出家の道へ。そこには、ジャニー喜多川さんとつかこうへいさんという、まったくタイプの違う二人との出会い、そして厳しくも温かい薫陶があったのです。

「僕をエンターテイナーに育ててくれたのはジャニーさんで、大人にしてくれたのがつかさん」。いまも困ったり悩んだときは、二人の師匠と心の中で会話をしているそうです。華やかさと笑いと深みが入り混じった独特のニッキ・ワールドを、存分にご堪能ください。

 

連載ドキュメンタリー企画(130

「民衆こそ王者 池田大作とその時代」希望をつなぐ人篇(9

東京・上野の地下道で暮らす戦災孤児たち。闇市の喧噪――

敗戦の混乱が続く昭和二十年代半ば、創価学会とめぐりあい、

人生を切り開いていった人々の蘇生のドラマを描く。

さらに戦中、戦後を貫き、子ども向けの雑誌づくりを通して、

戸田城聖から池田に受け継がれた闘う言論の実像に迫る。

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