潮出版社
 
 
潮2021年12月号
月刊「潮」 潮2021年12月号
発刊日
2021年11月5日
価格
660 (本体 600円)

目次

【特別企画】「未来」はこの手の中に

【対談】分岐点に立つ人類――無関心と現状維持を乗り越えて。真山 仁×斎藤幸平

真鍋淑郎博士が示した退路なき気候変動問題。江守正多

突きつけられる脱炭素化への日本の本気度。竹内純子

 

【特集】第6波に備える

三密回避、マスク、ワクチンが重要なこれだけの理由。宮坂昌之

国産ワクチンと経口治療薬開発へ 塩野義製薬の挑戦。手代木 功

 

【特集】若者が生きやすい国へ

青年の声が政治に届けば日本は変わり始める。室橋祐貴

【対談】目先の利益より未来のために、いま大人がすべきこと。駒崎弘樹×山崎聡一郎

【連載対談】ニッポンの問題点(48)

 女性や子どもを自殺に追い込まない社会を目指す。清水康之×田原総一朗

 

連載ドキュメンタリー企画

民衆こそ王者 ――池田大作とその時代

<希望をつなぐ人>篇(8)

 

【新連載】池田思想の源流――『若き日の読書』を読む(2)

 心で書を読む。佐藤 優

 

【ルポ】赤と青のストライプが目指す「真の強さ」――出雲駅伝ダイジェスト。酒井政人

 

【シリーズ】シニアのための「生き生き」講座

ジジババに贈る「孫育て」の心得と注意点。宮本まき子

人生を豊かにする「鉄道旅」の極意、教えます。宮村一夫

 

西側の報道では見えてこないタリバンの本質。春日孝之

 

【インタビュー】前駐日大使が語るアフガニスタンの現在と未来。バシール・モハバット

 

【人間探訪】桜木紫乃

「家族じまい」とは子供と親を肯定し、わだかまりを仕舞うこと。

 

【対談】高島礼子の歴史と美を訪ねて(15)

長屋を舞台に江戸の市井の人々を描きたい。西條奈加×高島礼子

 

【好評連載】

鎌田實の「希望・日本」(19) 

 想いの込められた「お金」の流れが社会を変える。鎌田 實

 

深掘り!「三国志」(5)

 三つの大きな戦いを経て本格的な三国時代へ。塚本靑史

 

トクサンの「人間野球」日誌(4)

 指導者の「引き出し」は多いほうがいい。トクサン

 

世界への扉(62)

女性皇族の結婚を巡る「祝福」の意味とは。

三浦瑠麗

 

大相撲の不思議(72)

品格。

内館牧子

 

名越康文のシネマ幸福論(38)最終回

「悪」の正体。

名越康文

 

寄せ場のグルメ(29)

人はなぜラーメン二郎に挑むのか。

中原一歩

 

【連載小説】

蒼天有眼――雲ぞ見ゆ(29)

山本一力

 

 

水の月(17)

中江有里

 

 

吉野朝残党伝(11)

天野純希

 

 

第26回 読者手記発表!

テーマ「嗚呼、若気の至り」

読者手記 大募集!

(第29回 テーマ 巣ごもり生活の極意)

 

USHIO情報BOX

暮らしの相談室【年金編】(国民年金の任意加入と貯金、どちらが得ですか)/ecology&economy 新しい生活様式のエコライフ(レンタルで「物を持たない」暮らしを)/熟年世代の危機管理術(危機管理のためのコミュニティづくり)/SAFETY&SECURITY IT博士と学ぶデジタル社会の歩き方(Instagramでフォトジェニック!)/楽して楽しむガーデニング(冬の寄せ植え作り)/ナンバープレイス/手近な素材で簡単おうちごはん(麺つゆ)/近ごろカラダが何かヘン!?(名前が出てこない)/サトミツの知っててよかった!お掃除豆知識(テーブルの拭き方)/おうち時間に簡単体操(バンザイストレッチで肩甲骨ほぐし)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/最近気になるモノ(ソーラーランタン)

 

ずいひつ「波音」

こころを聴く(72)水引。中西進/二人のスーパースター 大谷選手と藤井三冠。山内昌之/わかり合えるひと言を発するには。大野萌子/五年後を待ちながら。宮内悠介/「正しい」医療情報。市川 衛

 

PEOPLE2021/世界のネコたち(香川県)/ティー・エイジ流カフェ散歩(下町の銭湯の記憶をつなぐカフェ)/四季の風景(ダリアの花園)/トピックス(水星より愛をこめて)

 

潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終えて

 

読みどころ

【特別企画】「未来」はこの手の中に

【対談】「分岐点に立つ人類――無関心と現状維持を乗り越えて」

真山仁(小説家)vs斎藤幸平(大阪市立大学大学院経済学研究科准教授)

2

 小説『ハゲタカ』シリーズで人気の作家・真山仁氏と、『人新世の「資本論」』がヒット中の斎藤幸平氏の豪華対談が実現! イギリスで開催されたCOP26(気候変動枠組条約第26回締約国会議)に大きな注目が集まるなど、喫緊の課題である気候変動問題の本質に、二人の論客が鋭く切り込みます。

 対談の冒頭で、気候変動危機がもたらすものは異常気象だけでなく、難民問題や国際紛争、そしてパンデミックにも繋がっていると警鐘を鳴らします。むしろコロナ禍は、これから起こる大きな危機のリハーサルに過ぎないとも。

 それを乗り越えるには、成長至上主義を脱すること、そして目先の対策だけでなく、現行の社会システムを根本から変えていくことが必要だと喝破。しかし事はそう簡単ではありません。それでも二人は、未来の選択肢のために、今の若者たちへの期待を熱く表明します。斎藤氏の「若者が現状維持を望むことで得をするのは、そのまま逃げ切れる上の世代」や、真山氏の「日本人はすべてをお上やリーダーに決めてもらい、自分で決断することを避ける傾向がある」とのコメントは刺激的ですが、「無関心と現状維持」を打破するための、私たちへの強烈なメッセージとなっています。

 

【特集】第6波に備える

「三密回避、マスク、ワクチンが重要なこれだけの理由」宮坂昌之(大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授)

「国産ワクチンと経口治療薬開発へ 塩野義製薬の挑戦」手代木功(塩野義製薬社長)

 近著『新型コロナワクチン 本当の「真実」』が話題の、免疫学研究の第一人者・宮坂昌之氏が『潮』初登場。昨年の段階では「安全かどうかを確認するにはまだ時間がかかる」と、接種には慎重だったそうです。しかし世界中の文献と接種後の状況を調査しながら、ワクチンの効果を確信。本稿では、ファイザー社とモデルナ社が採用したmRNAワクチンのしくみもわかりやすく解説していただきました。さらにこれからも、三密回避とマスクが必須の理由を、説得力豊かに教えてくれます。

 続いて、国産ワクチンと経口治療薬の開発を進める塩野義製薬の手代木社長にもお話を伺いました。コロナ禍は、感染者数や死者数もさることながら、何より日本社会を大きく傷つけたと結論。そこで安全性と有効性に優れたワクチンと経口薬を提供することで、社会を覆う病を克服していくことが自分たちの使命だと語る手代木社長に、大きな期待と同社の存在意義を感じました。

 コロナが減少傾向にある今だからこそ、次の事態に備える一助となる2本の論稿です。

 

【特集】若者が生きやすい国へ

【対談】「目先の利益より未来のために、いま大人がすべきこと」

駒崎弘樹(認定NPO法人フローレンス代表理事)vs山崎聡一郎(教育研究科・写真家・声楽家)

2

 コロナ禍は、子どもや若者、女性に特に大きな負荷を強いています。なかでも貧困や格差といった問題が顕在化。そこで病児保育や親子の問題に長年取り組んできたフローレンスの駒崎弘樹氏と、『こども六法』がベストセラーとなっている教育研究者の山崎聡一郎氏に、子どもたちのために大人が取り組むべき改善策を語り合っていただきました。

 二人に共通する論点は、日本は「子どもの権利がないがしろにされている」ということ。駒崎氏は、日本社会は子どもに対して(1)人、(2)仕組み、(3)金、(4)情報、(5)文化が欠けていると指摘。対する山崎氏も、日本の教育予算が少ないのは政治家が長期的視野で子どもの成長を見ていないからだと言います。また上からルールを押し付ける教育手法に関しても、その時代錯誤ぶりを明快に批判。本稿の最後で、これまでの歴史上、短期的な効率化や成長を追い求めるあまりに、中長期的な視野が欠けた文明は、すべて崩壊しているとの駒崎氏の結論を、私たちは重く受け止めなくてはならないでしょう。

 

【シリーズ】シニアのための「生き生き」講座

「ジジババに贈る『孫育て』の心得と注意点」宮本まき子(家族問題評論家)

1

 22年間にわたり「主婦の友社」電話相談室に携わってきた家庭問題評論家の宮本まき子さんが、世のジジババのために、ご自身の経験も踏まえた「孫育て」のメリットと注意点を伝授する異色の企画です。

 祖父母が孫の初期教育に真正面からぶつかると、その影響は子どもたちの心にも強く染みつくとのこと。現代は家族観の違いから、あまり干渉しないことが多いようですが、少しだけ距離を詰めてみてもいいかもしれません。

 ただし、張り切りすぎると「孫疲れ」が待っています。時には「財布疲れ」なんてことも……! この点も、宮本さんの詳細なアドバイスが役立ちます。ともあれ「孫育て」は、ご自身の時と比べ、夫の協力も得られやすいそうですから、ジジババの関係改善(?)にも効果てきめんだとか。本稿を参考に「再びの子育て」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

連載ドキュメンタリー企画(129

「民衆こそ王者 池田大作とその時代」希望をつなぐ人篇(8

かつて“マンガの神様”手塚治虫は語った。

「『冒険少年』に描いてみたいと思っていたんだよ」

「自分から是非描きたいと思った雑誌は、当時はこの本くらいだったねェ」

戸田城聖が発行した月刊誌「冒険少年」(後に「少年日本」)。

若き日の池田大作は、戸田の後を継いで編集長を務めた。

池田が手掛けた少年誌は、敗戦後の荒廃に心を痛めていた。

子どもたちに希望を与え、夢を育んでいく。

その一冊一冊を手に取り、成長していった“子どもたち”の証言を追った。

定期購読
月刊「潮」の定期購読をご希望の方はこちらからお申し込みいただけます。