【第6部】
第1章 サーリプッタとモッガラーナ/第2章 非難する群れ/第3章 死の沼地/第4章 狂女ヴィサーカー/第5章 ルリ王子との再会
【第6部】
第1章 サーリプッタとモッガラーナ
ブッダはアナンダに未来の見える人を連れてきてくれといった。アナンダはブッダの着ていた衣をまとって行くが、どこへ行っても扉を閉ざされ、ものを投げられ、袋だたきにあった。
アナンダは道ですれちがったサーリプッタからブッダの教えについて問われる。アナンダからブッダが因果について説いていると聞いたサーリプッタは「私はそのかたのお話がぜひ聞きたい」という。
未来を読むちからをもつモッガラーナは、サーリプッタを迎えに行き、アナンダを見て、すべてを言い当てた。サーリプッタとモッガラーナは、師サンジャヤを捨ててブッダのもとへ行くことにする。他の弟子たちも従った。
アナンダがブッダのもとへ案内する弟子の数は250人。それはアナンダが殺した人間の数だった。モッガラーナはアナンダの未来を予言して「あなたはブッダの手足になる人だ」という。
ブッダはアナンダがもどってくることを知り、弟子たちに出迎えさせた。ブッダは「あなたがたを待っておった……ずっと以前から」といい、ふたりを菩提樹の下へ案内させる。そこはブッダの寝起きする場所だった。
第2章 非難する群れ
ブッダはサーリプッタとモッガラーナを上座にすえた。ダイバダッタはブッダに後継者は自分こそふさわしいというが、ブッダは「おまえなどに教団をゆずる気はない」と叱りつけ、ダイバダッタを追い払った。
サンジャヤにたのまれたチンチャという女が、おなかの中にブッダの子がいるといい、ラージギルの町々にはブッダを非難するうわさが流れだした。
アナンダのもとにマーラが現われ、リータと結ばせてやるからブッダを捨てよと迫るが、アナンダはブッダを選ぶ。リータはコブラに咬まれて死んだ。
ブラフマンはブッダに「約束をはたしていない」という。ブッダは反省した。
第3章 死の沼地
ブッダはアナンダだけを連れて北へ旅を進め、20年前にデーパと通った沼地を通ってバンダワの町につく。昔ブッダを誘惑したヴィサーカーは狂っていた。
第4章 狂女ヴィサーカー
ブッダはヴィサーカーの部屋で幻覚剤を見つけて薬をかくし、ヴィサーカーを町から連れ出した。途中で、アナンダはヴィサーカーが死んだと見て置いていこうとするが、ブッダは引き返す。そのとき回復したヴィサーカーが走ってきた。
第5章 ルリ王子との再会
アヒンサーはブッダを矢で射るが、アナンダと闘って穴に落ちた。死に瀕したアヒンサーは、ブッダの話を聞いて弟子になりたいといった。ブッダに「いいとも 生まれ変わってやってきなさい」といわれ、アヒンサーは死んだ。
ルリ王子はブッダに、こき使われているシャカ族と、囚われのスッドーダナ王を見せる。ブッダはルリ王子に「あなたはあわれな人だ」といった。
シャカ族の取り締まりをしているバッディヤが、ブッダに集会所で話をしてほしいという。ブッダは説法を始めた。