潮出版社
 
 
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著者名
シンティオ・ヴィティエール 池田大作
カテゴリ名
本/単行本
発刊日
2001年8月24日
判型
四六判
ページ数
445
ISBNコード
978-4-267-01607-3
Cコード
0095
価格
1,980 (本体 1,800円)

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作品概要

ほとばしる魂の師子吼


キューバの精神的支柱でもある
ホセ・マルティの生涯を語る


人間愛に満ちた詩人、ジャーナリスト、思想家など多面的な足跡を持ち、42年の短い生涯をかけて「師弟の道」をつらぬいた不屈の革命家がここにいた。

目次

はじめに 池田大作
謝辞 シンティオ・ヴィティエール


第1章 迫害と人生
1.流罪の讃歌―千年先を見つめる眼光
第一人者と共に語り継ぐ/カストロ議長と語り合った「師弟の精神」/革命指導者であり続けうる理由/入院中の孫娘が見たフィデルの涙/獄中の日々、マルティ全集を読む/“師”こそ何ものにも代え難き財宝/「晴天なり 感動なり 不滅なり」/「苦しみは私を強くしてくれる」/“憎悪なき闘い”―16歳の獄中の誓い/「迫害こそ誉れ」、それは「正義の証明」/革命家の自覚と宿命/青年は大志を抱き、大きく未来へ羽ばたけ
2.師弟―限りなき向上の軌道
「師弟」を貫かずして偉大な人生はない/「人間の種をまく」ことを好んだ賢人/「奥様。私は敵を討ちます」/師の「正義の怒り」を受け継ぐ者こそが弟子/「人生の手本」をもつことの幸福/小学生への質問「マルティはどんな人?」/友情のドラマ―不当な罪を一身に背負う/杜甫が謳う管仲と鮑叔の「友情の道」/逆境にも揺るがない金剛にして不壊の信頼/無名の庶民のなかにこそ英雄はいる/マルティ以前の闘争はなぜ失敗したか/大闘争を成功に導いた「人間の絆」/「友といる、それが社会である」
3.家族―その人間愛を世界に広げて
誠実で温かな家庭が幸福な人生の根幹/家族思いの優しさと使命感との葛藤/若き少年誌編集長の祈り/息子の流した“血”と父の流した涙 /決して不満を漏らさぬ父の矜持/革命家を子にもった母の苦悩/愛する母に宛てた最後の手紙/すべてを育み慈しむ「母性」の輝き/サラゴーサの恋、メキシコでの結婚/“小さな幸福”を求める妻とのすれ違い/祖国にすべてを捧げた革命家の執念/女性が真に美しく輝くとき/「かかる女性たちありて英雄あり!」/女性の輝きは内面から―“正視眼”の人生を歩め/「人権」の平等性と「人格」の多様性/“女性の時代”へ―桜梅桃李の理想
4.間断なき前進―言論による精神闘争
人びとの胸を強く打つ「言葉のつぶて」/「正義」の言論がもつ“衝迫性”/言葉を自在に駆使する不世出の雄弁家/「野蛮的共棲」から「文化的共存」への転換/「努力、また努力」の間断なき前進/苦難さえ“薪”に変えた若き日の志の炎/休むことを知らない“ペンの戦士”/民衆に根ざさずして何事も創造できない/眼に「鉄の意志」、ポケットに足枷/「愛を欠いた精神は理解することができない」/「女性的なるもの」の偉大な力用/人民への奉仕―サン・マルティンと周恩来/「内外の鎖」断ち切る「人間性の解放者」
5.永遠の生命観―生も歓喜、死も歓喜
「つねに太陽に向かう」透徹した楽観主義/愛の戦士―人生最終章の勝利/敵をも味方に変える人格力/私は世界を立ち上がらせる/「死」と対峙しながら、「生」を生き抜く/仏教的生命観と通じ合うマルティの生死観/現世主義と聖職者への痛烈な糾弾/殉教の誉れ―人びとのために、私の血を/「無我」よりも「大我」を重視/「死を忘れた文明」を生きる人びとの羅針


第2章 民衆と共に
1.使徒と民草―無限の活力(バイタリティー)への信頼
キューバ国民の“永遠の導き手”/民衆―磨かれざる“原石”/百折不撓の闘争支えた“民衆への信頼”/魂の鍛えから生まれ出る「偉大な民衆」/自己犠牲―崇高な菩薩の精神/「祖国」への抜き差しならない熱情/人間革命を起点とした総体革命/二十一世紀の主役「革命的民衆」/「民衆の心を変える」―革命家の精神の核心/「苦闘する人」にどう対応するか/“素足の群衆”への「親しみを込めた声」/確かな目だけが民衆の真実を見抜く/人間総体、人類全体の解放をめざして
2.民衆の教師―対話と行動の戦人
偉大な民衆指導者が放つ人間性の光彩/なぜ“使徒”と呼ばれたのか/言葉の響きから伝わる人生の“真実”/類いまれなる“対話の達人”/無名の労働者に宛てた一通の手紙/ぼくには不死の精神がある/「智慧」「行動」によって価値は創造される/開示悟入の「民衆教育」/二十一世紀を拓く鍵―悪は「内面」にある/自己の可能性を彫琢せよ/民衆の幸福のための「自然に即した教育」/教育こそ人間のもっとも根元的な営み
3.リーダーシップ―先覚者の苦悩と決断
一人立つ―先覚者の宿命と苦悩/自らの民衆観を貫き先輩と離別/「北の大国」の野望を見抜いた先見性/人種間の和を乱すことは人類に対する罪/“時”を感じ戦争開始に踏み切る/「革命を終わらせる革命」/あくまでも平和革命を志向/真の人間は根源に向かう/マルクスの革命思想の功と罪/急進性と社会的暴力がもたらす野蛮性/「尊厳性」「品位」の回復が第一義の目的/極端と不正義を嫌うマルティの人間主義
4.二十一世紀の国家観―人類こそわが祖国
“部族意識”ではなく、開かれた“人類意識”を/自分にもっとも身近なものから始める/“世界の均衡”を確保することの必需性/道徳の真の基盤は家族や民族に存在する/「内在的普遍」に基づく地球文明の幕開け/マルティが言及した“未来の宗教”/「法の絶対性」と「人の寛容性」との融合/教育にかける情熱と反教条主義/人間に正義と美を教える「文学」の可能性/汝の道をゆけ、世人をして語るにまかせよ


第3章 詩心の周辺
1.心の詩―人間と宇宙の交響
「胸を痛める心」―詩人としての資質/詩人の目に焼きついた少年の日の体験/一読すれば脳裏に焼きつく鮮烈な描写/未来の光景を描き出す創造力と表現力/祖国の息子への想いを綴った名詩/二十世紀を見通した“見者”の活眼/覚悟の死を目前にして書かれた日記/「命をかけて仇を討つ」という誓い/詩作のうえで師と仰いだ人/師匠の大いなる“詩魂”を継いで/完成された詩篇は393篇/キューバ人にもっとも愛されている詩/大歓喜、大感動なくして真実の詩は生まれない/芸術とは「真実が勝利するための最短の道」
2.人道の闘士―永遠なる魂の獅子吼
生命への限りなき讃歌―ホイットマン/宇宙を一つの荘厳な生命と見る目/全世界性と全人類性への希求―プーシキン/祖国愛に根ざしたあまねき人類愛/“見えざるもの”との調和―エマソン/「銀の剣」をいかに用いるか/“屈せざる魂”―ユゴー/若き革命詩人と偉大な老詩人との出会い/マルティが背負わざるをえないもの/最後に勝つのは「不屈の魂」をもった者
3.父から子へ―体験、精神の継承
魂のパン―詩は人間にとって不可欠/詩人は自分自身を食べて生きる/民の声は神の声―民衆に根ざす真実/未来の使者へ―『黄金時代』にかけた夢/父は子を守る以上に何を望むか?/「郷土」―美質は経験を通して養われる/「行為」と「物語」を重視/子どもたちは世界の希望



関連地図
ホセ・マルティ略年譜

プロフィール

シンティオ・ヴィティエール
ホセ・マルティ研究所所長。1921年アメリカ生まれ。1935年キューバの首都ハバナ市に移住。ハバナ大学で公民法博士号を取得。ラスヴィージャス中央大学スペイン学部長など大学で教鞭をとる一方、『ヌエバ・レヴィスタ・クバーナ(キューバ新誌)』の主宰をはじめ、『国立図書館誌〈ホセ・マルティ〉編』『マルティ年鑑』『サラ・マルティ』などの諸誌の主幹、翻訳書の執筆など、長年にわたりマルティに関する膨大な量の出版活動に尽力。マルティ研究の第一人者。

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