潮出版社
 
 
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著者名
岩中祥史
カテゴリ名
本/単行本
発刊日
2013年12月20日
判型
四六判
ページ数
237
ISBNコード
978-4-267-01962-3
Cコード
0095
価格
1,650 (本体 1,500円)

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作品概要


金沢、仙台、名古屋、水戸、会津、和歌山、愛媛……


「城下町の謎」を知れば、日本の真実が見えてくる!


「スマートだけど上から目線」「こだわりの強さが邪魔をする」
――城下町出身者の生態と深層心理を、
『名古屋学』の著者が一刀両断!


 

目次


プロローグ――「城下町」は日本人の永遠のあこがれ?

「長嶋茂雄」を生んだ城下町/徳島のセンスのよさも城下町ゆえ/城下町に抱く、日本人の素朴なあこがれ/人口の多さではわからない「城下町」の匂い/城下町が発するオーラとは


1章 「城」にシビレる日本人!
こんなところに「城」なんて、あったっけ!?
のぞみの車窓から見える城の数々/なぜ千葉にレプリカ城を作ったのか?/「本物の城」はどれだけ残っている?/長らく続いた「城」不遇の時代
〝信州南北戦争〟の遠因も「城」?
長野県庁は、城のある松本に……/長野と松本の確執はいまなお続く?/城下町ならではの文化水準の高さ
なぜ、お城を復興するのか?
そのまま残っているのはたったの一二城/復元天守と復興天守の違い/史実に基づかない模擬天守とは?/〝反中央〟気質の大阪人も「城」には弱い/「城」を求めてやまない日本人/「城」は最強の観光資源
たとえ競輪のテラ銭でも、城のためなら
若松城の本丸で競輪開催!?/だれよりも城を愛する会津人ゆえに……/天守は人に希望と勇気を与える象徴


2章 城下町は、こうして作られる
城下町のスタートは四〇〇年以上前
信長の天下統一と城下町の誕生/最初の天守を作ったのは、やっぱり信長/「戦うための城」から「見せるための城」へ/大坂城は安土城を参考に作られた/天守へのこだわりが薄れはじめた江戸時代/城好きの人は、秩序を重んじる人
何もない場所に町を作るのは一大事業
初めての本格的な「城下町」も安土/家老、年寄、奉行の順に、城の近くに住む/「連雀町」は行商人が住む町の名だった/武士のルールを町人にも適用/城がないと落ち着かない精神構造


3章 「城下町人」の生態と深層心理
「城下町人」の好奇心と冒険心
「本邦初」と縁の深い城下町/むかし「かぶき者」、いま「ヤンキー」/「理屈っぽい・怒りっぽい・骨っぽい」水戸人/浜松人は前例にとらわれない挑戦者/狭い土地ゆえに外へ雄飛する広島人/和歌山にいまも息づく冒険心のDNA
はみ出し者か、お行儀のよい人か
名古屋、和歌山、水戸はお行儀がよい?/自立志向が強い西日本人/目上の人に「様」と「さん」、どっちをつける?/「まわりの目を気にする」のは東日本人/「海国」大坂、九州は枠にはまらない
「越中泥棒、加賀乞食、越前詐欺」の真相
「城」への忠誠心を利用した明治政府/福井県人はお上にタテつかない?/目端がきいて商売上手な福井県人/加賀の支配に耐え抜いた富山のたくましさ/石川県人のプライドが高い理由
「城下町人」のプライドも多種多様
いまだに「百万石」にこだわってしまう金沢人/近代日本を作ったのは長州人?/福島県人と山口県人を近づけてはならない!/長州と会津はいまも「戦争状態」?/能ある薩摩人は爪隠す/山口県人は政治家、鹿児島県人は軍人気質
徳川御三家の「城下町人」はつまらない?
権威に敏感、でも流されない愛知/ルイ・ヴィトンと金の鯱が大好き!/名古屋駅のコインロッカーには要注意/上から目線の和歌山、生真面目な水戸
城下町では時間がゆったりと流れている
町にも人にも余裕があるのが城下町/「おっとり城下町人」最右翼は静岡!/静岡空港で起きた大ハプニング


4章 なぜ城下町に人があふれるのか?
新し物好きが「城下町人」の特徴
いま「城」が大ブームに/現代人が「城」に向かう理由/都会は「人と人とが出会う」場所/「とげ抜き地蔵」に人が集まるのはなぜ?/ウイスキーもヨーグルトも広島人のおかげ/仙台人はやっぱり新し物好き/武士と町人の境界で「ドキドキ」が生まれた
城下町にはなぜ、グルメが多いのか?
味噌につかっていた名古屋人/洗練された食と酒は、金沢&福岡/宇都宮に素敵なバーが多いのはなぜ?
優雅・高貴さは〝ジョーカー〟のあこがれ
スイーツ消費は金沢、岐阜、熊本が多い/文化の象徴としての茶道ブーム/多彩な文化工芸は金沢の十八番/松江全域に広まった茶道の魅力/城下町には、老舗の和菓子屋がつきもの
おしゃれに気を使う「城下町人」たち
城下町とデパートの意外な関係/おしゃれだが底が浅い「伊達者」/いい格好しいナンバーワンは秋田県人?/仙台と金沢の差はどうして生まれたのか/なぜ名古屋と仙台でフィギュアスケートが盛んなのか?/「城下町人」はお稽古事が大好き


5章 「城下町人」に迫る危機
名門志向の「城下町人」
城下町ならではの上昇志向/由緒ありげな名前の学校が多いワケ/校名へのこだわりは、プライドの高さゆえ/城にちなんだ学校名が多い/〝ジョーカー〟のプライドをくすぐる名門校/城下町と老舗書店の蜜月関係/老舗でも経営が厳しい時代
もう「殿様商売」は通用しない
交通手段の発達と、地方の空洞化/世間離れした「城下町人」の怠慢/「上から目線」と「気位の高さ」が邪魔をする/恥も外聞も捨てられない佐賀人の苦悩/苦労知らずの「城下町人」の悲哀/津軽人の頑固さが災いした?/「城下町人」は自分を変えられないのか?
「上から目線」が習い性になってしまった
御用商人の時代から始まった弊害/淘汰されるデパート/「うちはまだ大丈夫」の落とし穴/「城下町人」のDNAを見直すとき


エピローグ――「城下町人」故郷愛が強い
「城」のためならお金は惜しくない!/福知山人の、明智光秀愛はスゴイ/鳥取人と名君・池田光政/熊本人の尊敬を集める加藤清正/そしてついに「神様」にまで昇りつめた/世界に知られる米沢の「上杉鷹山」


おわりに


 

著者プロフィール

岩中祥史(いわなか・よしふみ)
1950年三重県生まれ。東京大学文学部卒業。出版社勤務を経て、株式会社エディットハウスを設立。書籍編集、出版プロデュースの活動に従事。著書に『新・不思議の国の信州人』『新・出身県でわかる人の性格』『県民性仕事術』『日本全国都市の通信簿』『名古屋の品格』『博多学』『札幌学』『広島学』『鹿児島学』など多数。