潮出版社
 
 
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著者名
寺島実郎
カテゴリ名
本/単行本
発刊日
2013年10月05日
判型
四六判
ページ数
262
ISBNコード
978-4-267-01954-8
Cコード
0095
価格
1,540 (本体 1,400円)

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作品概要

混沌の今を生き抜く
〝座標軸〟がここにある!


台頭する中国、不透明な日米関係、
エネルギー戦略の行方、そして日本経済の未来……。


藤原帰一氏、船橋洋一氏、姜尚中氏など
各界の論客との対談も収録

目次

はじめに


第1章 9・11以後のアメリカと日本
「アメリカ帝国」の野望と無謀
初めにイラク攻撃ありき/矛盾するデヌリカの論理/日本外交の曖昧さに国益はない/相互信頼関係を築くだめの外交が必要
対談 人道と文明社会への挑戦 vs山内昌之
結集軸は反テロリズム/アメリカはなぜイスラム世界の人々に憎悪をもたれるのか/アメリカの中東政策の矛盾が問題を大きくした/いまこそ日本がもっている理念と機軸を語るチャンス/問われる戦後日本人の精神構造
対談 創造的な日米関係を模索せよ vs船橋洋一
9・11以後のアメリカと日本/問われる日米同盟のあり方/日本外交には最大の弱点がある/日米同盟をアジア地域安保に/大切なのは「国づくり」への貢献
対談 歴史的視野から日米関係を考える vs中西寛
歴史的視野から日米関係を考える/拡大する中華圏諸国との関係/米国の二重性とどうつき合うか/イラクの戦後復興を日本はどうする/「経綸に欠ける」日本外交/文化的背景をもった日本の施策を

第2章 中国の台頭と日本の現実
ユーラシアの〝ダイナミズム〟を見誤るな
中国に依存する日本が見えてくる/国境を越えた地域の連携/アメリカの関心は中国へ向く
直視すべき「この国」の脆弱さ
アジアとの信頼を築けぬまま迎えた二十一世紀/「段階的接近法」でアジアの連携を模索/日本は「中間層を厚くする資本主義」をめざせ/経済主義・私生活主義を排し社会に「公」の分野を開拓すべき
対談 多文化・多民族主義で国を開く vs山崎正和
冷戦中は日本も「分断国家」だった/日本から見るとアメリカは恐怖の過剰競争国家/「言論」の力で動く社会へ/「二十世紀モデル」はもう通じない/日本人自身のつくり直しが大切/改革は不可能ではない

第3章 問われる日本の経済政策
「日本の基軸」を見鋸える時
日本政治最大の「課題」は何か/改革幻想を抜けて産業の話を/日本の産業力と政治の役割
転換期の世界と、岐路に立つ日本の国際戦略
中ロの台頭とイラク戦争がもたらした矛盾/「しかたがないじゃないか症候群」からの脱却を/肥太化したマネーゲームに世界経済はどう対応すべきか/日本の産業力を活かし、全体性のある戦略を展開すべき
対談 世界を揺るがす「食糧問題」の本質 vs水野和夫
グローバリゼーションとBRICSの衝撃/一九九五年を境に世界経済の構造が変わった/日本のカネが食糧価格高騰を支えている/日本の「食」を立て直すために

第4章 日本外交の進むべき道
問われる日本外交の「理念」
イラク戦争における敗者は誰か/日本外交の基本スタンス/「親米入亜」の実体化こそ国益
対談 二十一世紀――国連のあるべき姿 vs野村彰男
国連をどう動かすか/多方面に広がる国連の活動/自国の関心事しか語れないのではだめ
対談 「無極化」する世界と問われる日本の戦略 vs藤原帰一
ネットワーク型で世界を見る視点/ポピュリズムの先にある不安/柔軟な方向感覚で日米関係を考える/中国を核軍縮に巻き込んでいく

第5章 3・11と日本のエネルギー戦略
「国民主導」こそ、この国に残された希望
原子力重視にシフトしていた民主党政権/日本が生き延びるために/エネルギー政策のベストミックスとは/政治指導者の言葉の不在
原子力と向きあうための視点
エネルギー論議に欠けている視点/日米原子力共同体の歴史/なぜドイツは「脱原発」が可能か/日本にとっての「ベストミックス」
日本はイスラム社会とどう向き合うべきか
中東で加速する秩序の液状化/シェールガス革命のインパクト/国際社会の現実を見据える覚悟

エピローグ
対談 岐路に立つ日本の民主主義 vs姜尚中
株価上昇で喜んでいる場合ではない/「プチ・ナショナリズム」の台頭と「絆」の大合唱/世界大戦勃発直後に夏目漱石が示した国家観/アメリカが懸念する「主権回復の日」式典/アジアの均衡を崩す「日本のイスラエル化」

「寺島文庫」という実験――あとがき