潮出版社
 
 
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著者名
石川好
カテゴリ名
本/単行本
発刊日
2013年07月20日
判型
四六判
ページ数
254
ISBNコード
978-4-267-01951-7
Cコード
0095
価格
1,870 (本体 1,700円)

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作品概要


〝対立〟から〝友好〟へ――


ちばてつや、森田拳次、赤塚不二夫、水木しげる、
北見けんいち、古谷三敏、やなせたかし、小島功、
サトウサンペイ、松本零士、上田トシコ、バロン吉田など、

100人のそうそうたる漫画家たちが描いた戦争体験漫画展が、
緊張する中国各地で、大きな感動と共感の輪をひろげた!
大宅賞作家が描く、日中関係の未来像


 

目次


まえがき 日中の危機を乗り越えるために

四つの島々をめぐる、銃声なき戦争
武田泰淳が見た日中戦争の現実
漫画家が提示する日中交流と和解へのヒント


第一章 南京の終戦記念日――二〇〇九年八月十五日の漫画家たち
八月十五日、炎天下の南京で
南京記念館に集まった漫画家たち
掲げられた横断幕を見て
日本人の思いがこもった開催趣旨文
亡霊の如く残る、日本軍の記憶
漫画家に間違えられてサインを……
中国紙でも大々的に紹介
二四〇万人が来場した南京展


第二章 日中「歴史認識」の源流をさぐる
新日中友好二十一世紀委員に任命されて
国交正常化合意文書がすべての発端
なぜ中国は、歴史認識問題で一歩も引かないのか
中国が考えた見事な理屈とは
正常化一○周年を前に起きた大事件
教科書問題と南京大虐殺論争
クサイもののブタを開いてしまった
中国全土に建てられた抗日記念館
見抜けなかった中国の強い意志


第三章 展覧会までの道筋
漫画やアニメは国境の壁を超える
人民日報社の検閲をクリア
「南京大虐殺」という謎
朱成山館長との出会い
開催は八月十五日に決定
中国人の懐の深さを実感
人間同士の触れ合いが難関を突破させた


第四章 「私の八月十五日の会」について
「私の八月十五日の会」結成秘話
満州体験と日本への違和感
残留孤児になる可能性もあった
「私の八月十五日の会」へ発展
『私の八月十五日』の内容


第五章 盧溝橋に漫画が展示された日――北京展について
盧溝橋に建てられた記念館
尖閣諸島で漁船衝突事件が勃発
芸に富んだ政治家・小泉純一郎
相次ぐ日中交流事業中止の中で
オープニング前夜に走った緊張
日中関係における「村山談話」の役割
東京・南京・北京の「三京人会」
中国紙が報じた「私の八月十五日展」


第六章 批判される場所から――瀋陽展ついて
三度目の開催となった「八月十五日展」
四川大地震の際に築かれた絆
日本人の思い出が埋もれた街
「あしたのジョー」と漫衆人
「批判される場所」へ赴くこと
「チャイナ・リスク」と「ジャパン・リスク」
「懲支戦争」という傲慢


第七章 満州から見える日中の深い溝――長春展について
旧満州国の首都・長春
「偽」満州国と、「偽」皇帝
日本軍が呼び醒ました「侵略の恐怖」
中国の鎖国政策と、尖閣問題
中国を貫く治乱興亡の歴史
唯一の〝義のある戦争〟
中国が力を入れるアニメーション産業
映画とアニメの基地として蘇る


第八章 「マンガ外交」のすすめ
「不惑」どころか「不信」に至った四○年
文化交流は対立回避の唯一の手段
日中青年プログラムに見た光
日本は「ソフトパワー」を軽視していないか?
漫画のユーモアが危機を救う


第九章 「歴史認識」を越えるために
講和しか取るべき道はない
「遠交近効」の極意とは?
日本がとるべき最終手段――私の論考から


あとがきとして 「中華の復興」と「日本を取り戻す」