潮出版社
 
 
潮2019年4月号
月刊「潮」 潮2019年4月号
発刊日
2019年3月5日
価格
637 (本体 590円)

目次

【特別企画】

「震災八年」の光景。

 

震災の教訓を後世に生かすために。 五百旗頭 真

「創造的復興」で宮城を日本のモデルに。 村井嘉浩

【ルポ】動物を「生かす道」を選んだ人々。 長岡義幸

【ルポ】時間は解決しないー遺族たちのいま。 渋井哲也

【ルポ】あの日を忘れないー岩手県釜石市を歩く。 石井光太


【特集】

多様な働き方を求めて。

 

【レポート】アクセンチュアー働き方改革の秘訣。 常見陽平

AIは「働き方」をどう変えていくか。 鈴木貴博

【人間探訪】佐藤 啓 ひきこもりながら働ける社会へ「めちゃコマ」の挑戦。


【巻頭企画】分極化する世界のなかで。 萱野稔人


【新連載小説3】蒼天有眼 雲ぞ見ゆ。 山本一力


連載ドキュメンタリー企画101

民衆こそ王者

池田大作とその時代

未来に生きる人篇(4)


・【ルポ】熊本地震を「語りつぐ」子どもたち。 荒川 龍


・【連載】ニッポンの問題点16

ポピュリズムから読み解く民主主義の現在。

水島治郎vs田原総一朗


・【アスリート列伝】大坂なおみ  

アジア初の快挙!世界一位の座を手にするまで。


防災・減災・復興を社会の主流にー公明党の挑戦。 中野千尋


子どもの虐待死と児童相談所の実態。 大久保真紀


教育政策のこれからを考える。 村上祐介


・【シリーズ】鎌田實の輝く人生の「終い方」2

「死」は生を輝かせる。 鎌田 實


円満な相続のために いまできること。 曽根惠子


・【ルポ】北方領土問題の淵源を探る。(下) 粟野仁雄


イラク侵攻はなぜ止められなかったのか。 ロブ・ライナー


・【連載】東北の未来を拓くー識者の声17

一人の変革から全てが始まる。 東根千万億


【連載】師弟誓願の大道ー小説『新・人間革命』を読む6

北方領土交渉と池田思想の洞察。

佐藤 優


・連載 シルクロード「仏の道」紀行9

敦煌文書。 安部龍太郎


・連載小説4

芦東山。 熊谷達也


・連載 名越康文のシネマ幸福論7

出会いと別れ。 名越康文


・連載 世界への扉32

米国の同盟国軽視をどう捉えるか。

三浦瑠麗


・連載小説7

覇王の神殿。 伊東 潤


・連載エッセイ28

小さな幸せ探検隊。 森沢明夫


・連載 大相撲の不思議40

優勝額。 内館牧子


【ushio情報box】

暮らしの相談室(貯蓄編)(お金の活用について銀行で話を聞いたほうがよいでしょうか)/初心者のためのスマホ活用術(SNSの文章はちょっとしたコツで読みやすく)/地球にやさしいエコライフ(これからの住宅ZEH)/悠々在宅介護術【食べる編③】(「食が進まない」を何とかしたい!)/最近気になるMONO(ひざ専用温感サポーター)/災害と防災(竜巻・突風の予兆とは)/主治医は自分! 未病発見・予防(眠りの悩み)/ナンバープレイス/おいしく食べて健康づくり(春の不調の予防)/ビューティー・タイム (習慣にしたい正しいスキンケア)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌・俳句/時事川柳/前新式 座ってできるリンパストレッチ(あご上げストレッチ)


【ずいひつ「波音」】

こころを聴く40 秩序と諧調。 中西 進/ある日の梅原猛さん。 山折哲雄/慶勝さまと圓朝師匠。 奥山景布子/ゲームが語る日本文化。 平林久和/なぜ震災遺族の夢は明瞭なのか。 金菱 清


【カラーグラビア】

PEOPLE2019/世界のネコたち(鎌倉)/〝ティー・エイジ流〟カフェ散歩(花街の息遣いが残る長屋カフェ)/東日本大震災から八年ー被災地のいま


潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終えて

今月の注目記事

【巻頭企画】「分極化する世界のなかで」

萱野稔人(津田塾大学総合政策学部長・教授)

 

4月号の巻頭企画には、哲学者の萱野稔人氏が登場。記事では、極右でも極左でもない中間の政治が衰退し、分極化していっている政治の現在地について論じている。萱野氏は、いまの社会の問題は、「利益の分配」ではなく、「利益の枯渇」にこそあると指摘する。分け合うべき利益自体が小さくなりつづけている現状では、奪い合いの政治が横行するのも自然であり、むしろ誰かが負担を背負わなければならないという不利益分配の時代に入っていることを自覚しなければならないと語る。多くの先進国の現状を示唆した鋭い考察となっている。


【特別企画】「震災8年」の光景

  • ・「震災の教訓を後世に生かすために」
  •  五百旗頭 真(ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長)
  • ・「『創造的復興』で宮城県を日本のモデルに」
  •  村井嘉浩(宮城県知事)
  • ・【ルポ】「動物を『生かす道』を選んだ人々」
  •  長岡義幸(出版ジャーナリスト)
  • ・【ルポ】「時間は解決しない――遺族たちのいま」
  •  渋井哲也(フリージャーナリスト)
  • ・【ルポ】「あの日を忘れない――岩手県釜石市を歩く」
  •  石井光太(作家)

 この3月で東日本大震災から8年となることをうけ、4月号では「『震災8年』の光景」と題する特別企画をまとめた。最初の記事では、ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長の五百旗頭真氏に話を伺った。五百旗頭氏は、1995年に発生した阪神淡路大震災から東日本大震災までで、復興についてのスキーム・枠組みが変化したことを重視する。阪神淡路大震災の時点では、国内的な公平性を損なわないため、いくら被災してかわいそうだからと言っても、被災前より良い状態に街を戻すには国の財源は使えない、地元資金でやるのがよいという考え方が主流だったのだ。しかし、この苦い経験を受けて、「不可抗力の大災害に遭った国民を助けないのは非人道的だ」が支持を集め、こうした考え方は変わっていく。そして、東日本大震災では、「個々人の生活復興が重視され、災害弱者を包摂するような」「創造的復興」の枠組みが確立されていったというのだ。阪神・淡路大震災で被災し、東日本大震災や熊本地震では復興についての各種会議で中心的な役割を担ってきた五百旗頭氏だからこそ話せる重みのある論考となっている。

 宮城県知事の村井嘉浩氏も登場。宮城県の復興の現状と課題について明確に論じてもらった。災害公営住宅が100パーセント完成し、住まいの問題が進展した一方、「心の復興」や「観光事業の復興」はいまだ道半ば。そんななか村井氏は、五百旗頭氏も指摘されていた、「創造的復興」を掲げている。漁業や空港に民間の力を積極的に導入したり、復興後を見据えて宮城県内の大学に医学部を新設することを進めたりするなど、具体的な取り組みが紹介されている。

 特別企画ではほかに、被災地を巡ったルポも掲載。長岡義幸氏は、国が殺処分を命じた福島第一原発いわゆる20キロ圏内の家畜たち、畜産農家の方々の8年を追いました。渋井哲也氏は、街やインフラの復興が進むスピードに対して、いまだ家族を失った悲しみから先へ進めない、進みたくない遺族の方々の複雑な心情を取材している。

 一律に復興が進んでいるわけではなく、希望と葛藤が混在している被災地の現状を多角的に見た、特別企画となっている。


【特集】多様な働き方を求めて

  • 【レポート】「アクセンチュア――働き方改革の秘訣」
  •  常見陽平(千葉商科大学専任講師/働き方評論家)
  • 「AIは『働き方』をどう変えていくか」
  •  鈴木貴博(経営戦略コンサルタント/経済評論家)
  • 【人間探訪】「佐藤啓――ひきこもりながら働ける社会へ――
  • 『めちゃコマ』の挑戦」

昨今、改めて「働き方」について向き合い、考えていかなければいけない時代となっている。このことを踏まえ、今号では「働き方改革」「Ai時代の働き方」「ひきこもりと働き方」といったテーマで「働き方」を巡る特集を組んだ。

 働き方評論家の常見氏の記事では、グローバルなコンサル会社アクセンチュアに突撃し、多様性を前面に出したアクセンチュアの戦略を分析している。電通の女性社員過労自殺の一件以来、「働き方改革」について多くの企業が考えるようになってきた一方、常見氏は、どうしても「時短運動」にばかり注力されてしまっている状況に疑問を持っていた。今回は、就活生から大変な人気を集め、多様性と生産性を両立しているといわれるアクセンチュアに赴き、彼らの考える働き方改革とは何かについて、話を聞きに行った。 

AI時代の働き方」については、経済評論家の鈴木貴博氏に取材。鈴木氏は、過去30年のあいだに進んだIT化の延長線上にAIの発展があると指摘する。バイトでも正社員並みの即戦力になれる一方、わざわざ正社員を雇わなくても仕事が成り立ってしまう、というIT化の帰結を分析したうえで、本格的なAI時代に生き抜く術を語っていただいた。

 今号の人間探訪では、従業員のほとんどがひきこもり経験者というユニークな企業、株式会社「ウチらめっちゃ細かいんで」の代表取締役社長佐藤啓氏を取り上げた。「めちゃコマ」は、ホームページやスマホアプリの作成のほか、ひきこもり当事者・経験者向けのIT講座の運営、在宅ワークの求人サイト「ひきワーク」、ひきこもりに関する情報総合ポータルサイト「ひきペディア」の管理・運営などの事業を展開している。なぜ、ひきこもりの人が主体となる会社をつくったのか、創業から一年余りが経ち、見えてきたことは何か。「めちゃコマ」の挑戦にご注目いただきたい。


  • 【アスリート列伝】「大坂なおみ――アジア初の快挙!世界一位の座を手にするまで」

 本年一月、アジアテニス界初の快挙を世界が報じた。プロテニスプレーヤー大坂なおみ(21)が昨年9月の全米オープンにつづき、全豪オープンでも優勝を果たし、アジア人初となる世界ランク1位の座に輝いたのだ。彼女がこの偉業を成し遂げるまでの21年間はいったいどういうものだったのか。「その〝始まりの地点〟を知るためには、果たしてどこまで、濃密な時間を遡るべきだろう――?」。フリーランスライターの内田暁氏の筆致にご期待いただきたい。


  • 「防災・減災・復興を社会の主流に――公明党の挑戦」
  •  中野千尋(フリーライター)

 東日本大震災発生直後から、公明党は電光石火で被災地に入り、壊滅的な被害の状況、被災者の要望をいち早く受け取った。野党でありながら、当時の与党とも協力し、前代未聞の複合災害に立ち向かっていったのだ。

そして震災からの八年間、公明党は「人間の復興」と「防災意識社会への転換」を目指して数多くの取り組みを行ってきた。「風評」と「風化」の二つの風と戦いながら、災害の頻発化、激甚化が進む日本で、「防災・減災」そして「復興」を社会の柱にしていくために公明党が果たしている役割を探った。

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