潮出版社
 
 
潮2021年11月号
月刊「潮」 潮2021年11月号
発刊日
2021年10月5日
価格
660 (本体 600円)

目次

【特別企画】超成熟社会を生きる

患者さんの小さなサインを感じ取ること。村上靖彦

認知症になった母はいま何を思い願っているのか。恩蔵絢子

【連載対談】ニッポンの問題点(47)

 「居場所」をつくることが孤立社会の特効薬。湯浅 誠×田原総一朗

 

【特集】新型コロナ攻防戦

国産ワクチンと治療薬開発へ長崎大学の取り組み。河野 茂

【ルポ】公明党と自治体の連携で実現した「墨田区モデル」。椚田 進

 

 

【特集】人を “ 育てる ” 心得

【対談】常勝への道――大学駅伝の魅力と展望。渡辺康幸×榎木和貴

【ルポ】東北の高校生が富士山頂から見た未来。黒島暁生

若者の自信とやる気を奪うNGワード。坪田信貴

 

 

連載ドキュメンタリー企画

民衆こそ王者 ――池田大作とその時代

<希望をつなぐ人>篇(7)

 

 

【新連載】池田思想の源流――『若き日の読書』を読む(1

 読書は人生の財宝。佐藤 優

 

 

【新連載】トクサンの「人間野球」日誌(3

 雇われ野球人か プロフェッショナルか。トクサン

 

 

アフガン撤退の真相とアメリカの対中戦略とは。佐橋 亮

 

 

【シリーズ】シニアのための「生き生き」講座

「一日八〇〇〇歩、速歩き二〇分」こそ健康長寿への近道。青栁幸利

「家が物であふれていく」 ためこみ症の実情と対策。五十嵐透子

 

 

【インタビュー】

 幻のユキヒョウを絶滅から守りたい! 双子姉妹の挑戦。

 木下こづえ×木下さとみ

 

 

【ヒューマンストーリー】

天野安喜子

花火師と柔道審判員――ふたつの道を貫く「迷わない覚悟」。

 

 

鎌田實の「希望・日本」(18) 

 ネットでもリアルでもスタッフの「心」はお客に伝わる。鎌田 實

 

 

【対談】高島礼子の歴史と美を訪ねて(14)

 民衆の思いが歴史を動かしていく。門井慶喜×高島礼子

 

 

【好評連載】

深掘り!「三国志」(4)

 「赤壁の戦い」後の群雄たちの虚々実々。塚本靑史

 

世界への扉(61)

総選挙を前に――日本のリーダーの条件。

三浦瑠麗

 

名越康文のシネマ幸福論(37)

逃げるは恥か?

名越康文

 

 

寄せ場のグルメ(28)

「焼き肉の郷」に秘められた近代史の謎。

中原一歩

 

 

大相撲の不思議(71)

相撲列車。

内館牧子

 

 

【連載小説】

蒼天有眼――雲ぞ見ゆ(28)

山本一力

 

 

水の月(16)

中江有里

 

 

吉野朝残党伝(10)

天野純希

 

 

25回 読者手記発表!

テーマ「お弁当の思い出」

読者手記 大募集!

(第28回 テーマ 背中を押してくれた言葉)

 

 

USHIO情報BOX

暮らしの相談室【保険編】(息子の代わりに保険を掛けてあげたい)/ecology&economy 新しい生活様式のエコライフ(秋に大掃除をしよう! )/熟年世代の危機管理術(火災被害に遭わないために必要なこと)/SAFETY&SECURITY IT博士と学ぶデジタル社会の歩き方(Facebookでつながろう!)/楽して楽しむガーデニング(秋植え球根の植えつけ)/ナンバープレイス/手近な素材で簡単おうちごはん(白菜キムチ)/近ごろ…カラダが何かヘン!?(夜、トイレが近い)/サトミツの知っててよかった!お掃除豆知識(タオルの除菌)/おうち時間に簡単体操(椅子を使って上半身ストレッチ)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/最近気になるモノ(凝り解消グッズ)

 

 

ずいひつ「波音」

こころを聴く(71)脳の内を見られる。中西進/情報リテラシー。坂東眞理子/「八月」の風化を恐れる。三山秀昭/歳を取って楽しめること。西尾克洋/自力登山から自力生活へ。服部文祥

 

 

PEOPLE2021/世界のネコたち(埼玉県)/”ティー・エイジ流”カフェ散歩(蘇った名建築で女学生の幻に出会う)/世界紀行(ユキヒョウの暮らす場所)/トピックス(秋を彩る詠み人たち)

 

 

潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終えて

 

読みどころ

【特別企画】超成熟社会を生きる

「患者さんの小さなサインを感じ取ること」村上靖彦(大阪大学人間科学研究科教授)

「認知症になった母はいま何を思い願っているのか」恩蔵絢子(脳科学者)

1

 世界に先駆け超高齢社会に突入した日本。いまや人口の3人に1人が、65歳以上の高齢者といわれています。「人生100年時代」とも呼ばれる今だからこそ、「より良き生」とは何かを問う企画をご用意しました。

 一本目は、ケアラーという存在に焦点を当てます。病気や怪我などで困難に直面する人の、看護や介護など日常生活の援助を行う「ケアラー」。なかでも、心身の障害により意思疎通が難しい患者さんのかすかなサインを読み取ろうと奮闘し、患者と家族、病院をつなげている人たちがいます。そのケアラーへの聞き取り調査を行ってきた大阪大学の村上靖彦教授は、「たとえ何時間かかっても、その人のメッセージを受け取ろうとする誰かがいること自体が、患者さんの尊厳を守っている」と語ります。

 二本目は、脳科学者の恩蔵絢子氏が、アルツハイマー型認知症となった自身の母親との6年間の生活と、これまでの気づきを正面から語ってくれました。音楽が好きで料理の得意な優しい母親の様子が変わっていくことに、当初は不安と混乱に苛まれたそうです。でも、最も不安なのは母親本人であることに思い至ると、どうしたらその不安を取り除けるのか、母らしく生きられる方法は何かを探すようになりました。そして「あなたが何を忘れようと、何ができなくなろうと、あなたへの愛情は変わらない」という家族のメッセージを受け止めたとき、母親は安心したように前を向けるようになったと言います。

 誰もが通るかもしれない道。この2本の論稿は、私たちの今後を考える上で、たくさんのヒントが散りばめられているはずです。

 

【特集】新型コロナ攻防戦

「国産ワクチンと治療薬開発へ 長崎大学の取り組み」河野茂(長崎大学学長)

【ルポ】「公明党と自治体の連携で実現した『墨田区モデル』」椚田進(フリーライター)

 感染者数が一段落したかのように見える新型コロナの猛威。しかし第6波は必ず到来するとの予測もあり、予断は許しません。そこで日本各地でウイルスとの攻防戦を繰り広げている人々の現在を追いかけました。

 日本における感染症研究の最前線に立ってきた長崎大学。本年7月には国内で2カ所目となる最先端の細菌・ウイルス研究施設を竣工。今後も起こりうるパンデミックに備えるには、日頃からの研究や専門家の育成が不可欠だからです。現在は、国産ワクチンや治療薬の開発で国内をリードするなど、同大学への期待はますます高まっています。そこで学長の河野茂氏に、これまでの取り組みと今後の目算について語っていただきました。また河野学長は、医学会がどれだけ議論しても、政治への橋渡しがないと、実際の政策に落とし込むことはできず、そうした中、医師であり長崎大学の非常勤講師も務める秋野公造参院議員をはじめ公明党議員の存在が、ことさら大きかったと述懐します。

 第5波が猖獗を極めた今夏、全国各地で入院拒否やたらいまわしの問題がクローズアップされました。そうした中、クラスターがほとんど発生せず、入院待機者ゼロ、死者ゼロ、重症者ゼロを実現した自治体があります(98日現在)。それは東京都墨田区。「墨田区モデル」とメディアでも注目を浴びた墨田保健所の西塚至所長、さらに保健所とタッグを組んで「墨田区モデル」の礎となった公明党都議と区議団を取材し、知られざる同区の奮闘をルポで紹介します。

 

【特集】人を“育てる”心得

常勝への道―—大学駅伝の魅力と展望」渡辺康幸(住友電工陸上競技部監督)vs 榎木和貴(創価大学駅伝部監督)

ほか2

 特集「人を“育てる”心得」では、創価大学駅伝部監督の榎木和貴さんと、早稲田の監督時代に学生駅伝三冠を達成した渡辺康幸さんの豪華対談が実現。同時代に活躍した二人が、監督としての心構えや、現代にふさわしい育成方法、また創価大学の箱根駅伝総合2位の評価などを語り合います。

 特に興味深いのは、渡辺さんと早大監督時代の教え子でもある大迫傑選手とのやり取りでしょう。さらに渡辺さんから榎木さんへのアドバイスは、陸上だけでなく人生万般にも通じる哲学だと感じました。本稿を読めば、1010日の出雲駅伝、そして明年の箱根駅伝がさらに楽しめること、間違いなし!

 

連載ドキュメンタリー企画(128

「民衆こそ王者 池田大作とその時代」希望をつなぐ人篇(7

 1975年(昭和50年)1118――

広島の平和記念公園を訪れた池田は、原爆慰霊碑の前で合掌した。

この日、創価学会を代表して献花のための花輪を運んだ被爆二世の青年たちがいた。

原爆症による死の恐怖と向き合う若者を、支え励まし続けた池田。

“生き抜くことが、私の平和運動”と心を定めた人たちとの知られざるドラマ、

さらに戦後のGHQ(連合国軍総司令部)検閲下における師弟の言論闘争に迫る。

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