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    【特別企画】日本の針路を問う

    ●【対談】政治の混迷と民主主義のゆくえ。 佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)vs原武史(政治学者・放送大学教授)

    ●日本は「ソフトパワー」で存在感を示すべき。 渡辺靖(慶應義塾大学教授)

    ●【対談】日米両国が歴史の教訓を共有するために。徳留絹枝(作家・活動家)vsクリフトン・トルーマン・ダニエル(作家・講演者)

    今月号では、「日本の針路を問う」と題して、混迷する現代日本の政治の深層、日米関係の将来について識者の声を聞いた。

    戦後72年が経った現在、日本の民主主義は混迷を深めている。この混迷の本質はなんなのか、幅広いジャンルで執筆・講演活動を展開する佐々木俊尚氏と、日本政治思想史の学識深い原武史氏が対談を行った。両者は現代政治の風潮として、現代の右派、左派が共に天皇を奪いあっていること、右派も左派も急速に過激化したことの2点に注目ししている。1つ目について原氏は「儒教の民本思想」の影響があると指摘し、佐々木氏も、政治家への「汚れ意識」が人々のなかに急浮上し、対比的に“清らかな天皇”を求める感覚が出てきたのでは、と応じる。右派左派の過激化の背景には、二大政党制モデルの導入や社会主義の信用失墜があるのでは、と指摘。多くの論者が日本の民主主義の危機を叫ぶ現在、その危機の根源に光を当てる非常に重要な対談となっている。

     渡辺靖氏の「日本は『ソフトパワー』で存在感を示すべき」では、現トランプ政権におけるアメリカの対外政策を整理したうえで、国際社会において日本がどのような方策を取るべきかを示している。特に、不安定な現政権下で混迷の度を増すアメリカを筆頭に、各国が自国第一主義に傾きつつある今、国際秩序の維持に貢献する役割を日本は求められている。日本は国際社会でどのように存在感を示せばよいのか、示唆に富んだ論考である。

    長年、旧日本軍捕虜となったアメリカ人捕虜と日本との和解活動に努めてきた徳留絹枝氏と、トルーマン元合衆国大統領の孫で、国立トルーマン図書館名誉理事長のクリフトン・トルーマン・ダニエル氏が対談を行った。ダニエル氏は、2012年に被爆者の方から「ただ私の体験を聞いてほしいのです」といわれたことをきっかけに、歴史の相互理解と和解のための活動を行うようになった。一方、徳留氏は雑誌の執筆活動を通じて、アメリカ人捕虜の体験が日本においてほとんど知られていないことに問題意識を持つようになり、捕虜だった人々のストーリーを発信するようになった。日米両国の将来のため、悲惨な歴史に向き合い、その教訓を共有するためには何ができるのか。実際の活動例も挙げられた、必読の内容となっている。

     

    ●【対談】「戦下の奄美――鮮烈な恋物語」越川道夫(脚本、監督)vs満島ひかり(女優)

    今夏公開予定の映画「海辺の生と死」の越川道夫監督と主演・満島ひかり氏による対談。『海辺の生と死』は、作家島尾ミホの私小説であり、太平洋戦争末期にミホの暮らす奄美群島に海軍特攻艇の隊長として駐屯した島尾敏雄との鮮烈な恋の実体験をもとに描かれている。本作で満島氏は、島尾ミホがモデルとなった大平トエを演じる。

     越川氏は、本作の撮影に当たって、奄美の島のあり方を裏切ってはいけない、と思っていたという。「温度とか匂いを感じ、島と会話しながら撮らないと何も映らない」と述べる。満島氏も撮影では、「自然や人や音楽に触れながら、その世界と気持ちよく触れ合っているように思いました」と振り返る。

    両氏の対談ではさらに、作品の根幹にある、奄美で育ったトエと内地で育った朔中尉(敏雄がモデル)の二人が持つシステムの違いに言及していく。奄美の女性と本土の男性との対比、奄美の歴史、島の時間、さまざまな観点から本作の映したかったものが語られていく。

    ●【対談】「史上最高の投手はだれか。」桑田真澄(野球解説者)vs佐山和夫(ノンフィクション作家)

     7月に弊社より発刊される『史上最強の投手はだれか〈完全版〉』の著者佐山和夫氏と、若き日に佐山氏の著作に影響を受け、氏と深い親交を結ぶ桑田真澄氏が対談した。

     両氏は、「史上最強の投手」サチェル・ペイジを端緒として、優れた投手の条件、「ベースボール」と「野球」の違い、などを語り合っていく。桑田氏は、「もしペイジに会えたなら、一緒に生活してみたいです。雑用でも何でもやるので、キャッチボールをさせてもらったり、生活すべてを見てみたい」と述べ、佐山氏も、「『いいピッチャーになりたいなら、サチェル・ペイジのことを知りなさい』と声を大にしていいたいですね」と応じる。

     アメリカ野球や日米野球史に造詣の深い佐山氏と、プロ野球で活躍後、メジャーリーグにも挑戦した桑田氏との対談に注目である。

    ●「原水爆禁止宣言」六〇周年記念メッセージ集「核廃絶と世界平和を考える。」アグネス・チャン(歌手/ユニセフ・アジア親善大使)/梅林宏道(NPO法人ピースデポ特別顧問)/姜尚中(東京大学名誉教授)/金惠京(日本大学危機管理学部准教授)/児玉克哉(平和学者/国際平和研究学会事務局長)/小溝泰義(広島平和文化センター理事長)/田邊雅章(映像作家/爆心地復元プロジェクト代表)/樋口恵子(東京家政大学名誉教授/NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長)/武者小路公秀(国際政治学者)/山本武彦(早稲田大学名誉教授)

     六〇年前、戸田城聖創価学会第二代会長は約五万人の青年を前に「遺訓」を発表した。

     その遺訓――「原水爆禁止宣言」は、戦後の核軍拡競争が進んでいた時代にあって、

    核兵器の“悪魔性”を討つ叫びであった。

    一〇名の識者とともに、核廃絶と世界平和への道を展望する。

    ●【アスリート列伝】「夢は叶う――インディ500制覇への奇跡。佐藤琢磨」

     本年5月末に、アメリカ最大級のレースイベントである「インディ500」で日本人として初めての優勝を果たした佐藤琢磨。彼がレーサーを夢見たのは初めてF1レースを生で目にした十歳のときである。しかし、実際にモータースポーツの世界に飛び込むのはそれから十年ほど後になる。キャリアを開始した年齢は異例ともいえる遅さであったが、持ち前の頭脳と努力、そしてセンスで佐藤選手は猛烈な速度で台頭していく。そして、国内から海外へ、F1からインディカーへと挑戦に挑戦を重ねて行った。世界最高峰の舞台で夢を叶えた佐藤選手の足跡を丹念に追っている。

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